東京五輪に「本物のチームUSA」が参加しなくなる可能性・・・

居眠りしていて、寝起きに浮かんだ変な考えをちょっと記してみる。

ドナルド・トランプというのは、自分の意に沿わない人間をクビにするのが好きらしい。

“As you know from his other career, Donald likes to fire people.” So New Jersey Governor Chris Christie joked to a roomful of Republican donors at the party’s national convention in July.

How to Build an Autocracy – The Atlantic

この発言の主がクリス・クリスティ(トランプとは決して関係良好とは言えないニュージャージー州知事。共和党員だが、政権移行チームにも入れなかった)という点には留意する必要があるが、それでも実際にトランプが自分の出した移民・難民の入国制限令に反旗を翻した連邦検事総長代理ーーーオバマが指名していたSally Q. Yatesというご婦人をさっそくクビにしたことを思うと、あながち根も葉もない話とは言い切れないようにも思う。

昨日のエントリーに挿入していたスタン・バン・ガンディ(SVG)のインタビュー動画(下に改めて挿入)も、実はこの時事ネタに関するもので、番記者から感想を聞かれたSVGは「大統領が自分の指示に従わない人間をクビにするのは当然のこと(そうでないと組織は回っていかない)。それと同時に、親父がよく自分に言っていたことだが、どんな仕事でも全身全霊を打ち込んで(all-in)やるか、それができなければやめたほうがいい(略)私はクビにされた彼女の行動を支持するが・・・トランプの方針は全く理解できない」云々と喋っている。

さて。チームUSAのHCを務めてきたコーチK(マイク・シャシェフスキー、デューク大HC)が自分の後任として指名したグレッグ・ポポヴィッチ(スパーズHC、ポップ)。そのポップがトランプに対する自分の批判的な考えを何度か明らかにしているのは以前に触れた通り。その率直なコメントは読んでいるこちらの方が勝手に心配になるほどだが、同時に「万一何かあった際には、ポップが自分の考えを曲げてまで(チームUSA HCの)仕事に固執することはなさそう」とも思え、そのあたりに潜在的な火種が潜んでいそうに感じられる。

幸い、NBAに関しては今のところ、何かの摩擦が生じそうという話は聞かない(話が「テロリスト対策」の範疇に収まっているためか)。例の入国制限令も、直接影響を受けた選手はいない・・・ただしソン・メーカー(MIL)はラプターズ(TOR)との試合=トロントへの遠征からの帰りがもう数時間遅れていたら、入国管理で足止めを食っていたかもしれない(入国管理の現場が混乱していて助かった?)という話も見かけた。

Milwaukee Bucks forward Thon Maker, a Sudanese-born refugee, returned to the U.S. without incident after playing in Canada against the Toronto Raptors on Friday night, hours after President Donald Trump signed an executive order that closed American borders to travelers from seven Muslim-majority countries, including Sudan.

Sudanese-Born NBA Players May Be Affected by U.S. Travel Restrictions – WSJ

だが、「Black Lives Matter」の運動につながったような黒人(を含む有色人種)に対する圧迫(攻撃)は今後もなくならないだろうし、そうなった場合にはNBA選手が異議を申し立てる、というのは今までの流れを考えればほぼ確実とも思える。また進歩的とされるアダム・シルバー(NBAコミッショナー)もそうした選手の行動をどちらかと言えば後押ししているようにもみえる。

ちなみに今週末にスーパーボウルを控えるNFL(存在感あるいは事業規模でNBAをはるかに上回る)では、すでに自主規制が始まっているそうだーー記者会見でも、政治に関する話題が事実上オフリミット扱いで、記者が選手に質問し、それに答えて選手が自分の意見をいうのは構わないが、後でリーグが配布した資料にはそのやり取りは載っていない、「Trump」「President」などの言葉はほぼ出ていない、とNYTimes記事には出ている。

トランプの一番の怖さは、ポップが指摘していた(トランプ本人の)幼稚さ(=なにをし出すかわからない。常識が通用しない)と、そしてスティーブ・バノンのような白人至上主義者(”Alt-right”と呼ばれる輩)が大きな影響力を(トランプに対して)持っている、というところだと私はそう感じる。

レブロン・ジェームズは1月半ばにあったスパーズとの対戦前に、ポップのことを「歴史上最も偉大な(NBA)コーチ」とコメントし、2020年のチームUSA参加についても「ポップがHCをやるかどうかは大きな判断材料」と発言していた。

James, who already has two gold medals, said that Popovich taking over as coach of the U.S. team will influence his decision on whether to play in the 2020 Tokyo Games.

LeBron mulls return to U.S. Olympic Team under Popovich – NBA.com

つまり、ポップがチームUSAのHCをやらないとなれば、レブロンも参加を見合わせ、それを受けてもっと若い世代の黒人プロ選手も軒並み・・・というのが最悪のシナリオとして思い浮かぶ。

そうなると、チームUSAはドリームチーム以前の時代に逆戻りということになるのか。誰がHCになるかは見当もつかないが、選手のほうはデューク大あたりの白人選手をとりあえずかき集めて、ということになるのだろうか・・・それが「本物のチームUSA」といえないことは改めて言うまでもない。

日本にいて、日本語でこんなことを書いていても仕方がない、そのことは重々承知しているけれども・・・うまい結びの言葉も見つからない。

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