「引退後は地元で教師に」、バックス(MIL)ジャバリ・パーカーの決意表明の背景

実は全然別の原稿を書いていて、8月なかばに読んだジャバリ・パーカーのエッセイのことを思い出した。それで書いたのが下記の文章だが、「いくら都市中心部の空洞化の例証といっても、これはやりすぎ」などと感じて削ってしまった部分。それでも、せっかくなのでここに出すことにした。

「インナーシティ」で思い出したのは、今年銃犯罪の被害者が急増しているというシカゴの例。「被害者の数は、9月末次点で3100人を突破」「9月だけで59人も死者が出た」といった話が下記の記事には出ている。

Chicago Shooting Victims Total Tops 3,100 So Far In 2016

これと都市中心部の空洞化がどうつながっているのか。その点をうまく説明している文章がしばらく前に出ていた。筆者はシカゴのサウスサイドという地区で生まれ育ったNBAの黒人スター選手だが、同選手曰く:

「財政が苦しい行政側が、コスト削減のために学区を統合した結果、前よりも遠くの学校に通わざるを得なくなった子供が出てきた」「ただ遠いだけなら(我慢して)通えば済むかもしれないが、土地勘のない場所を通って登下校しなくてはならない子供も増えた」「子供が、自分の暮らす一帯を仕切っているギャングと敵対するグループのシマを通って通学する、といった例も目立ってきた」「最近では、子供が発砲事件の巻き添えになったという話をしょっちゅう耳にするようになっている」

このコラムによると、この選手の育った一帯では、真夏の始まりにあたる7月4日(米国の建国記念日)になると発砲事件の数がいっきに増えるとの傾向が以前からあったらしい。「故郷を離れた今でさえ『7月4日』と聞くと憂鬱な気分になる」というこの選手の言葉からは問題の切実さ、根深さといったものが伝わってくる。

ジャバリの地元、シカゴのサウスサイドが今どんな状況になっているか、といったことが上記の部分から感じ取れるといいのだが。これの文脈を説明するとなるとなかなか難しい。例のBlack Lives Matterに関するもので、またチーム・バナナボートの4人によるESPNYでの呼びかけにつながるものには間違いない。ただ、ジャバリの父親(ソニー・パーカーという元NBA選手)や本人の学校時代のことなどまで説明しないと、うまく話を伝えたことにならない。そう感じられるためだ。

なので、このエッセイの中で、ジャバリが父親と同じように、現役引退後は地元に戻って子供達のためになることをしたい、選手をやめたら教師になりたい(I want to become a teacher after I get out of the league)、そのために来年夏からサマースクールに参加して学位を取れるよう勉強するつもりでいる(So next year, I’m going to start taking summer classes and working toward getting my degree.)などと述べている点は記しておきたい。

Chicago – The Players Tribute

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