家業のケーブルテレビ会社を売りに出したジェームズ・ドーラン(NYKオーナー)

コート上のこととはほとんど関係ないけれど、ちょっと気になった小ネタをメモ代わりに書き留めておく。

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ジェームズ・ドーランが「ケーブルビジョンを売りに出すことにした」というニュースが昨日の午前中に流れていた。

  • Altice in Deal to Take Over Cablevision – NYTimes
  • The Dolans, the Clan That Built the Cablevision Empire, Say Goodbye – NYTimes
  • ドーランというのは「ニックス(NYK)をダメにしたオーナー」とひと頃NYCの地元媒体などで叩かれまくっていた御仁。ケーブルビジョンというのは、親父のチャールズ・ドーランが70年代前半にはじめたわりと古株のケーブルテレビ/ISP会社で、現在はジェームズが跡を継いでいる。

    ジェームズ・ドーランは、一昨年春にフィル・ジャクソンを球団社長に迎えてからは、NBAのほうではほとんど表に顔を出さなくなったとの印象もあった—それでも昨年のいまごろにはまだ「イーグルスのライブに、前座として登場」という記事も見つかる—が、今年の6月はじめには「腐れ縁のアイザイア・トーマス(”Zeke”、元DET選手、NYKのHC/球団社長のほう)を、よりにもよってNYリバティー(WNBA)の球団社長に据えた」として再びちょっとした批難の矢面に立たされていた(「よりにもよって」というのは、以前トーマスに対してセクハラ疑惑が持ち上がったことがあったから)。

  • Group Protests Isiah Thomas’ New Role With Liberty Outside Of Madison Square Garden – CBS
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    この一件について尋ねられたアダム・シルバーの「人生というのは複雑なもの」というコメントが可笑しい。

  • NBA commissioner Adam Silver on Isiah Thomas back at MSG: ‘Life is complicated’ – NY Daily News
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    そんなドーランだが、商売のほうはなかなかのやり手のようで、今年の2月(オールスター週前)には「マジソンスクエアガーデン(MSG、法人のほう)」の株価が最高値を更新/投資家の覚えが誠にめでたい」云々という話がBloombergに載っていた。
     

  • Dolan Is Winner for MSG Investors While Knicks Fans Keep Losing – Bloomberg
  • MSGは5年ほど前にケーブルビジョンからスピンオフされれいたが、その時から株価は3倍以上も上昇。また直近の四半期(昨年10-12期?)の売上は5億4250万ドルに増え、11四半期連続でアナリスト予想を上回った、などと書かれてある。

    MSGは、傘下にニックス、NYリバティ、NHLの強豪チームNYレンジャーズといったプロスポーツチームを擁するほか、ニューヨークのMSG(建物のほう)、ロサンゼルスのThe Forumといったアリーナ、そしてラジオシティ・ミュージックホールをはじめとする複数の劇場、それにNYKの試合などを放映するテレビ放送局などを運営。さらに、先週にはスポーツ&エンターテインメント関連の事業とメディア事業とを分離・独立させる計画を正式に発表してもいた。なおMSGの時価総額はざっと57億ドルくらい。

  • Madison Square Garden To Split Entertainment And Media Businesses – Forbes
  • 上記のBloomberg記事ではこういう操作が「フィナンシャル・エンジニアリング」と評されたりもしているが、「結果が出せているうちは叩かれない」というのはバスケットボールも企業経営も一緒。

    この発表に続いて、さらにケーブルビジョン売却(発表)だから、ジェームズ・ドーランは1週間のうちにふたつも大きな決断をしたことになる。裏を返せば、「ある程度前からこの準備にかかり切りになっていたのではないか」という可能性も思い浮かぶ。

  • Dolan family to sell Cablevision, not Madison Square Garden – Foxsports
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    このFoxsports記事には、ケーブルビジョンのほうはいまでも親父のチャールズが大株主で、だいたい25%くらいを所有している、とある。またこの親父がケーブルビジョンの前に、HBOを立ち上げて(その後Timeに売却して)いたというのも面白い。

    息子のほうとしては、先の見通しが明るくないケーブルビジョン(ケーブル事業)を高値で買い手が付くうちに売り払って、今後もしばらくは伸びしろがありそうなMSGのほうに専念しようとした、と見える。

    いつ頃になるのかはわからないが、本業のほうがおおかた片付いて一段落したら、ジェームズ・ドーランはまたライブに出たり、NYKの選手起用に口を挟んだりするようになるかもしれない。カーメロ・アンソニーの「堪忍袋」の緒の長さとともに、ちょっと気になる注目点と思える。

    次の動画はいずれも2月はじめにジェームズ・ドーランが「ファンを罵倒するメールの返事を送った」として話題になっていた際のもの。トークショウのほか経済ニュースでもネタにされていたようだ。

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